「自家製麺 カミカゼ」について
幾度の移転や閉店を経て、箱根駅伝の戸塚中継所で復活を遂げたというドラマチックな歴史を持つラーメン店、「自家製麺 カミカゼ」。カミカゼは、かつて横浜の別の場所で人気を博していましたが、様々な事情で移転・閉店を繰り返します。しかし、多くのファンからの熱い要望を受け、戸塚の地で再びその暖簾を掲げました。
店主が丹精込めて作るラーメン、お客一人ひとりに明るい笑顔で声をかける奥様の丁寧な接客、時折顔を見せる息子さんは厨房・ホールをサポート、家族経営のラーメン店には、どこかアットホームな雰囲気が漂います。
お店の場所は、戸塚駅から少し離れていて、徒歩で30分以上かかるため、車でのアクセスが便利です。戸塚方面から藤沢方面へ国道1号を進み、戸塚警察署交差点を過ぎるとすぐ左手にあります。10台以上停められる駐車場完備。
営業時間は 11:00 – 14:45 で、食材無くなり次第終了。
定休日は毎週火曜日。臨時休業は、公式X 自家製麺カミカゼで確認できます。
所在地の地図などは、ページ一番下の店舗概要をご覧ください。

店舗前に10人以上の行列ができることもありますが、回転が速く、待ち時間はそれほど長くありません。

店内に入ると、魚介系の香りとともに、数々の昭和レトロなアイテムが目に飛び込んできます。その中に「TRYラーメン大賞」の受賞歴が掲げてあり、「中華そば 尋」として営業していた時のものが目に留まりました。この「尋」も人気店でしたが、諸事情で閉店。カミカゼの歴史を垣間見ることができます。
券売機で食券を購入し、数名ほどが座れる待合スペースで順番を待ちます。待合室に入れるのは3名または1グループまでです。

券売機は新紙幣や新500円硬貨に対応しています。

1万円札や5千円札も、新紙幣に対応した両替機があるので安心です。

席が用意されると、奥様がにこやかに案内してくれます。店内を見渡せば、カウンター席とテーブル席が並び、昼食を楽しむ様々な客層で賑わっています。営業マン、学生グループ、そして赤ちゃん連れの家族など、誰もが思い思いにラーメンを堪能している姿に、期待が高まります。
ゆったりと間隔を取って配置された座席は、落ち着いた食事の時間を提供。特にカウンター席からは、広々とした厨房の様子を眺めることができます。高く積み上げられた小麦粉の紙袋、その傍らに鎮座する製麺機、次々に仕上がっていくラーメン作りの工程を見ていると、待ち時間はあっという間です。
そして店内は、レトロな看板、懐かしいタバコの自販機など、昭和を感じさせるアイテムが所狭しと並びます。このレトロなアイテムは店主のコレクションで、その個性豊かな品々は、ラーメンへのこだわりと情熱を表現しているかのようです。

卓上調味料はコショー、ブラックペッパー。
テーブルは丁寧に掃除・消毒され、清潔感があります。お箸やレンゲが入ったカラフルな容器は、以前、ラーメンの提供に使われていたかわいいデザインの器を彷彿させます。
メニュー(税込)
・塩ラーメン(900円)
・醤油ラーメン(850円)
・中華そば(700円)
・チャーシューライス(350円)
・ライス(170円)
・小ライス(120円)
・塩焦がしネギラーメン(950円)
・醤油焦がしネギラーメン(900円)
【大盛】は100円プラス
・塩ラーメン 大(1000円)
・醤油ラーメン 大(950円)
・中華そば 大(800円)
・塩焦がしネギラーメン 大(1050円)
・醤油焦がしネギラーメン 大(1000円)
【トッピング】
・チャーシュー(350円)
・メンマ(150円)
・のり(150円)
【アルコール】
・エビス中瓶(600円)
メニューに煮卵はありません。
醤油ラーメン 850円(税込)

「醤油ラーメン」。
注文から5分ほどで着丼。透き通った琥珀色のスープに、トパーズのような脂の粒が水玉を描き、醤油の香ばしい香りが食欲をそそる。スープは、丸鶏、羅臼昆布、瀬戸内のいりこ、まぐろ節、生揚げ醤油などを使用し、化学調味料、アミノ酸などは不使用。
具材は、ホロホロに柔らかいバラ肉の薄切りチャーシュー、しなやかな穂先メンマ、のり、ねぎ。チャーシューと穂先メンマは、ラーメンの味にそっと寄り添うような優しい味付けです。

スープは熱々で提供され、鶏のうま味に、昆布やまぐろ節の風味が奥行きを与え、いりこのほのかな苦味は、スープを単調な味にしていない。醤油は芳香を放ち、旨味が強く甘い。以前は、醤油の角が立っていましたが、近年、すべての味を包み込むように丸みを帯び、全体が調和したマイルドなスープとなっています。

店主こだわりの麺は、小麦に北海道産「ゆめちから」を使用した、なめらかでやわらかなストレート細打ち自家製麺。小麦の風味を存分に味わう事ができ、スープによく絡みツルツルと喉を通っていきます。
塩ラーメン 900円(税込)

「塩ラーメン」。
澄んだスープに鶏の脂がトロリと広がり、口に含むと、しっかりとした魚介の味わいに、羅臼昆布の濃厚なうま味がじんわりと染みわたる。鰹の枯節や屋久さばの上品な甘みが深みを与え、スープは黄金色で美しい。昆布のうま味であるグルタミン酸、魚介系のイノシン酸、これらをモンゴル岩塩が十分に引き出し、調和のとれた複雑で奥行きのある味わいです。
理想の塩ラーメンを追求する過程で、客に「うまい」と感じてもらえる一杯を追い求め、その情熱と試行錯誤の結晶が、この一杯に凝縮しているように思えます。丸鶏の出汁に合わせる昆布は、利尻昆布や真昆布ではなく、濃厚なうま味が特徴の羅臼昆布を、荒節ではなく、より高価な枯節を選んだのは、香り高く上品な風味を出すため。屋久さばからも濃厚で上品な甘みを抽出するなど、随所にそのこだわりが伺えます。
麺は醤油ラーメンと同じく、ストレート細打ち自家製麺。硬めが好みの方には少し柔らかく感じるかも知れませんが、店主が提供する茹で具合は、スープによく絡み、計算されたように相性抜群です。
チャーシューライス 350円(税込)

「チャーシューライス」。
香ばしく炙られた大判バラチャーシューと柔らかなメンマに、風味豊かなネギが彩を添え、白飯の中には刻みチャーシューがゴロゴロたっぷり。口に運ぶと、チャーシューは柔らかく、噛みしめるほどに溢れる肉の旨味がネギの風味で引き立ちます。醤油の甘辛ダレがふっくらご飯に絡み合い、飽きのこない一杯。ラーメンとのセットも人気ですが、チャーシューライスだけでも十分に満足できる一品です。このクオリティで350円という価格設定。コスパ最高の一杯を味わうには、早めの来店がおすすめ。
過去の器たち
以前は、かわいく華やかな器でラーメンが提供されていました。海苔の盛りつけが今と微妙に違っていたりしています。

醤油ラーメン

塩ラーメン

醤油焦がしネギラーメン。焦がしネギの香ばしさがアクセントで、醤油ラーメンがさらに奥深い味わいになります。
まとめ
幾度もの移転と閉店を乗り越え、箱根駅伝の舞台、戸塚で復活を遂げた「自家製麺 カミカゼ」。その一杯には、単なるラーメンという枠を超えた、店主の情熱と、待ち望んだファンの熱い想いが深く込められています。
2000年代初頭、魚介豚骨ラーメンで人気を博した「中華そば しんの助」と共に、戸塚ラーメン界を牽引してきたカミカゼ。 長きにわたり、全く異なるスタイルを追求しながらも、今も戸塚を代表する人気店であり続けています。ラーメン激戦区の戸塚において、老舗「支那そばや」と肩を並べ、今なお輝きを放つ。
戸塚を訪れた際は、そのドラマチックな歴史を味わうように、カミカゼ渾身の一杯を体験してみてください。
自家製麺カミカゼ 基本情報
■ 営業時間
11:00 – 14:45(食材無くなり次第終了)
■ 定休日
毎週火曜日(臨時休業あり 公式X参照)
■ 所在地
〒245-0062 神奈川県横浜市戸塚区汲沢町1202