今回は、美味しい鰻を求めて、
湯河原の富士屋旅館内にあるレストラン「瓢六亭」さんを訪れました。
レストランのみの利用が可能で、送迎はありません。
JR湯河原駅から路線バスやタクシーでアクセス可能です。
車の場合は
駐車場の数が限られているため、早めの予約がおすすめです。
今回は施設正面の藤木川沿い駐車場に車を停め、
橋を渡ってレストランへ向かいます。
赤い橋の前に立つと、歴史を感じる瓦葺の旧館に大正ロマンを感じ、
川の流れに癒されつつ奥に進むと、緑に包まれた新館が姿を現します。
日の傾く夕刻は、館に優しい灯りが灯り美しい。
建物の右側が「瓢六亭」さんです。
店内は和の雰囲気漂うレトロモダンな空間が広がります。
壁に大きな鰻が…。
今回案内されたのは半個室でした。落ち着いた雰囲気です。
鰻重の「極上」と「極」は太鰻を、他は中鰻を使用し、
量によって料金が分かれています。
今回は、一番量が少ない「鰻重並」をコース仕立てでお願いしました。
(コース仕立てはプラス2000円)
先付は、鰻の煮こごりに夏ミョウガを添えた一品。
鰻の旨味が凝縮された煮こごりと、
シャキシャキとした夏ミョウガの食感が食欲をそそります。
続いて、鯛、ブリ、アオリイカの御造り。
どれも上質な肉質で、見た目にも美しい一皿。
鯛は程よい歯ごたえを残し甘い。
紅色が美しいブリの血合筋は、魚の鮮度を計る羅針盤となり、
臭みがない事から、適切な処理がなされたことが伺える。
口に運ぶと、期待を裏切らない味わいに唸る。
甘美なアオリイカのうま味で、フレッシュな日本酒がほしくなる。
そしていよいよ、主役の鰻重が登場。
「瓢六亭」の名前の由来である六つの瓢箪が刻み込まれた御重。
六つの瓢箪の六瓢(むひょう)= 無病(むびょう)で
“無病息災”を意味します。
玉手箱を開けると、こんがり焼き上がった狐色の鰻がびっしり。
口に運べば、カリッとした歯ごたえと、
鰻本来の野性味を感じる強い味わいが口いっぱいに広がる。
そこに甘辛い秘伝のタレが絡み合い、うま味で舌が浸食されていく。
関東で一般的な、ふっくらと柔らかな食感と違い、
「瓢六亭」さんの鰻は、蒸さずに炭火でじっくり焼きあげた関西式の「地焼き」。
香ばしい香りと、鰻のうま味をダイレクトに堪能できます。
量は「並」でも十分満足できるボリュームです。
最後は、青もみじが涼しげな印象を与え、
プルンプルンのわらび餅を、甘く濃厚な黒蜜で頂くデザート。
橋を渡るところから食事までの記憶が蘇り、
至福のひとときが幕を下ろしました。